
こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
先日こんなツイートをしました。
【築古アパートのデメリット5選】
①大きな問題を抱えている可能性があ
る
②修繕やリフォーム代が想定よりかか
る可能性がある
③クレーム・トラブルなど手間がかか
る
④入居者募集の際、時間と費用と労力
がかかる
⑤金融機関の融資が難しい
⑥出口戦略が弱い初心者にはおすすめしない😌
— 不動産投資家MASA (@2103ou_masuke) June 18, 2021
不動産投資をする際に、まず最初に目が行くのは利回りだという方がほとんどではないでしょうか。
そして高利回り物件を求めて物件探しをするから、必然と高利回り築古アパートに辿り着きます。
この傾向は不動産投資を始めたばかりの初心者に多いような気がします。
築古アパートは高利回り物件であるために、うまく運営すれば多くのキャッシュフローが期待できます。
しかし、この高利回りにばかり目を奪われ購入してしまうと、後で後悔してしまうこともあります。
築古アパートは見た目の利回りは高いかもしれませんが、大規模な修繕費用や運営費がかかることを考慮しないで出た数値には、あまり期待し過ぎないほうがいいでしょう。
そこで今回は、不動産投資の中でも人気な築古アパートのデメリットや向いている投資家を解説していきます。
失敗しないためにも、これらをよく理解したうえで購入するようにしてくださいね。
こんな方におすすめ
- 築古アパートのリスクやデメリットを知りたい
- 築古高利回りアパート投資に向いている人を知りたい
コンテンツ
築古ボロアパート物件の失敗パターン
最も多いのは、購入した後に「実は家が傾いていた」「シロアリの害が酷かった」「入居者トラブルを抱えていた」などの大きな問題に気付くパターンです。
築古アパートは売主や管理会社も知らないような、大きな爆弾を抱えている可能性が高くなります。
初心者であればあるほど、こういった問題に気付くことができません。
大きな問題はなかったにしても、いざ入居者を募集しようとリフォームをすると、思いのほかリフォーム代がかさんだり、購入した後に故障が多発して、多くの出費に見舞われたりすることもあります。
また昨今のDIYブームに乗っかり、ボロアパートに自分で手を加えたい人も多くいるはずです。
ただし、自分が施工のプロではないことを絶対に忘れてはいけません。
いくらDIY慣れしていても、素人が手を出すと失敗してしまう領域というのがあります。
特に多いのは、ユニットバスなど水回りの設備を自分でいじって、失敗するパターン・・
うまく水が流れなくなったり、水漏れするようになったりで、結局専門業者を呼んで対応してもらったというケースも少なくありません。
クロスなども、やはり施工の質は下がってしまうため、すぐに剝がれてしまうことがあります。
はじめから業者に依頼するより、一度自分で失敗してしまった後にリフォーム依頼するほうが、当然時間も費用もかかります。
自分でやることで経費を減らすことは大事なことですが、結果の費用対効果をしっかり見極める必要がありそうです。
築古アパート投資のリスクや対処法については、下の記事をあわせてご覧ください。
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初心者に築古アパート投資をおすすめしない理由5選
ここでは、不動産投資初心者に築古アパート投資をおすすめしない理由5選を解説していきます。
内容は以下の通りです。
- 大きな問題を抱えている可能性がある
- 修繕やリフォーム代が想定よりかかる
- クレーム・トラブルなど管理の手間がかかる
- 入居者募集の際、時間と費用と労力がかかる
- 金融機関からの融資が難しい
それぞれ解説していきます。
①大きな問題を抱えている可能性がある
先ほども触れましたが、最も大きなリスクは、購入後に大きな問題を抱えていることに気付くケースです。
問題が大きい順に、
①建物が傾いていた
②シロアリの害があった
③入居者トラブルがあった(入居者同士や滞納など)
④知らされていない修理が必要な箇所があった
築古アパートの場合、ほとんどの物件がこのどれかに該当すると思った方がいいかもしれません。
傾きは購入前に空室の部屋があり、内覧できれば確認可能ですし、シロアリの害も床下や通気口、蟻道を確認することで予防できます。
しかし入居者トラブルや故障箇所は、基本的にヒアリングで確認するため、売主が知らなかったり教えてくれなかったら防ぎようがありません。
私自身も区分マンションではありますが、滞納のヒアリングはしていたにも関わらず、実際には滞納する賃借人で今も苦労しています。
こういったリスクが通常の物件より高いことは認識しておく必要があります。
②修繕やリフォーム代が想定よりかかる
まだ不動産投資に慣れていない人だと、修繕やリフォーム代が想定よりかかってしまうケースもあります。
収益物件の場合、修繕を定期的にしているオーナーが少ないため、建物が劣化していることがほとんどです。
そのため、購入してからすぐに大規模修繕が必要な物件ばかりが売りに出されている状態です。
これは売主の売却理由を考えてみるとわかります。
売主が築古物件を手放すタイミングの多くは、大規模修繕工事が必要になる手前の段階もしくは、木造の減価償却が終わる築22年頃です。
つまり、今後物件を保有していても大規模修繕工事が必要になるため、工事の前に売却してしまおうと考えるわけです。
建物の劣化が進んでくると様々なトラブルが起こります。
最も多いのは漏水関係です。
屋根や外壁が劣化すると雨漏りが発生したり、配管設備が劣化すると水漏れの原因となります。
一度トラブルが起きてしまうと、事前に予防のために修繕するよりも大きな費用がかかります。
さらに、屋根や屋上防水の劣化が原因で雨漏りしている場合や配管漏水などは、他の箇所も同じぐらい劣化しているということなので、大規模修繕工事をしたほうがよいでしょう。
6戸以下の小さなアパートでも200~300万円、大規模アパートになると一棟あたり800万円以上かかる可能性があります。
このように築古物件は、今後大きな修繕費用が見込まれることから物件価格が割安となっています。
購入前には過去の修繕履歴を確認し、適切な管理が行われていたか、修繕にはどの程度の費用が発生していたか確認しておきましょう。
故障が原因による漏水などの場合、火災保険が使える可能性もありますので、詳しくは下の記事をご覧ください。
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③クレーム・トラブルなど管理の手間がかかる
築古アパートは家賃が低いため、収入が低い非正規社員、外国人、生活保護の方が入居ターゲットとなります。
そしてこのような人たちは、生活トラブルやクレーム、家賃滞納などを起こしやすいと言えます。
例えば滞納の場合、収入が低い人の方が家賃滞納リスクが高くなるのは当然ですよね。
しかし意外にも、生活保護の人は収入が安定しているため、実は滞納リスクは高くありません。
入居の際に保証会社加入を義務付けることによって、滞納した家賃は回収できるのですが、そもそも収入が低い人は、この保証会社の審査に通らない可能性があります。
また、滞納が長引くと最悪のケース夜逃げが発生しますが、もし入居者が多くの残置物を残して、しかも部屋を汚した状態で夜逃げしてしまった場合、保証会社は原状回復費用は負担してくれません。
しかもやっかいなのが、夜逃げされたとしても、入居者に無断で残置物を処分することはできません。
夜逃げしたとしても残置物は入居者の所有物であるため、大家が勝手に処分すると損害賠償請求されるリスクがあるからです。
築古アパートの運営を行う以上、こういった滞納リスクとは常に隣り合わせなのです。
家賃滞納に関して詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
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④入居者募集の際、時間と費用と労力がかかる
築古アパートは、新築や築浅の物件と比べると空室率が高くなりがちです。
なぜなら建物や設備が古い分、入居付が難しいからです。
築古アパート投資に挑む場合は、通常以上の時間と費用と労力が必要になります。
例えば新築や築浅物件であれば、AD(広告費)は1ヶ月でも十分戦えますが、築古の場合は2ヶ月は出さないと、家賃が低い分仲介手数料も安くなるので、仲介会社が紹介してくれません。
そもそも募集をするために、通常よりも大きなリフォームが求められることも多く、費用と手間がかかります。
また築古物件は、バス・洗面・トイレが一体となった3点ユニットが多いですが、入居者ニーズが低いため、一度退去があると空室期間が長引いたり、家賃を下げないと埋まらないこともよくあります。
バス・トイレの分離工事をしようとすれば、一部屋最低でも80万円はかかります。
その他にもエアコン、給湯器、キッチン等の設備が老朽化しているため、退去の度に設備の入れ替えが必要なことも珍しくありません。
築古物件の場合は、退去がある度に通常よりも多額のリフォーム費用がかかることを覚えておきましょう。
⑤金融機関からの融資が難しい
融資の際、築年数が耐用年数を超えているような築古物件の場合、建物には価値がないとみなされます。
土地しか評価されないので、土地の評価が高い物件でないと融資は難しくなります。
しかし、本当の土地値で売り出されている物件はなかなか見つかりません。
よく土地値で買えたと言っている人を見かけますが、その多くは擁壁があり、実際に建て替える際には造成工事が必要であったり、不整形地だったりします。
また融資が厳しいことは、売却の際にも悪影響を及ぼします。
現金で一括購入できる人を待つ必要があるので、なかなか買い手がつかないケースも想定しておかなくてはなりません。
高利回り築古アパート投資に向いている人の特徴
これまで築古アパートのネガティブな要素を解説してきましたが、実際には高利回り築古アパート投資で確実に儲けを出している人も大勢います。
ではなぜ儲けることができているかというと、物件をとにかく安く購入して、さらに自分でDIYしているからです。
こういった人の中には、保有はこれまで説明したようなリスクが存在するため、購入後自分でDIYして満室にした後、すぐに高値で転売する人もいます。
この方法は築古アパートでもリスクを抑えることができる、理にかなった方法ですよね。
DIY大家は活かせるところを活かして、リフォーム箇所を判断することが大事になってきます。
例えば、どんな入居者がターゲットになるかによって、リフォームに注力するべき箇所は変わります。
どんな入居者がターゲットになるのかは、物件の立地に左右されます。
そういったことまで考えるのは、初心者ではなかなか難しいですよね。
また超高利回りのお宝物件は、一般に売り出されることはありません。
表に出る前に紹介を受けたプロの業者かベテラン投資家が、先に購入してしまいます。
奇跡的にネット掲載されたとしても、競争は激しく数時間で消えます。
以上のことを踏まえると、築古アパート投資に向いている投資家は以下のような人たちです。
築古アパート投資に向いている人
- 格安物件の情報が入ってくる人
- 時間に余裕があり、DIYができる人
- 自分で修繕するスキルがある、もしくは修繕費用を払える資金を持っている人
- 建物チェックができるレベルの経験者
- 入居付けノウハウやアイデアを持っている人
- 築古特有のトラブルを楽しんで乗り越えられる人
築古アパート投資が成功するかどうかは、大家の能力に左右されるところが大きいと言えます。
そういった意味では、ある程度不動産投資を経験した人の方が向いているのは間違いないですね。
まとめ
いかがでしたか?
Twitterなどで、「利回り25%の物件買えました!」なんてツイートをよく見かけますが、実際にはそんな利回りになることはほぼなく、様々なトラブルや空室期間が長くなることで実質利回りは下がっているはずです。
そんな不動産投資は甘くないですからね^^;
最初は資金がないために、どうしてもこういった築古アパートを探しがちですが、不動産投資初心者には戸建や区分マンションをおすすめしています。
初心者の方は、下の記事もあわせてご覧ください。
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