
こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
不動産投資家の中には、アパートやマンション建築を最終目標としている人も多いのではないでしょうか。
私自身も直近の目標は、大きな賃貸マンションを建てて、その最上階に住むことです。
また最近の不動産中古市場は、築25年前後のアパートでも利回り7%台で売り出しされているような状況です。
建売新築アパートも軒並み利回りが下がっており、私が3社ほどにヒアリングした調査では、「最近は7%にのればいい方です・・」といった状況です。
そこで投資家の中には、土地を購入して新築のアパートを建築する方法を模索している人も多くなってきたように感じます。
そこで今回は、土地から新築アパート建築を考えている方のために、私のリアル体験記とポイントを解説していきます。
私は2020年3月のコロナ緊急事態宣言中にアパートを建てました。笑
厳しい環境の中でも大成功を収めることができたので、そのノウハウを共有したいと思います。
新築アパート建築を成功に導く、とても有益な内容になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
こんな方におすすめ
- 土地から新築アパート建築を考えている人
- 新築アパート建築投資の成功の秘訣を知りたい人
コンテンツ
土地から新築アパート建築までの経緯(費用や収支も大公開)
まずは私が土地から新築アパート建築にまで至った経緯をお話します。
とある土地が出たので、知り合いの業者さんに買ってもらったことから物語は始まります。
最初は私が購入する気はなかったのですが、買ってもらった後に、その土地の裏に袋地がゴロゴロあることに気付きます。
袋地(ふくろち)とは
建築基準法上は道路に接していないため、建物建築ができない土地のこと。
現地を確認すると空家ばかりで、これはイケる( ̄ー ̄)ニヤリと思った私は、業者さんに転売を待っていただき、袋地を地上げした後、私に買わせてくださいと直談判します。
許可を得た私は、早速袋地合計5筆の所有者に手紙を送ります。
すると意外にも、すべての所有者から連絡をいただくことができ、交渉がスタートします。
当然袋地はほぼ無価値で、固定資産税だけ毎年払わなければならない「負動産」です。
本来は譲りうけるだけでも喜んでもらえるはずの土地なので、私は足元を見まくり(当然腹の中でだけですが・・笑)、金額を提示していきます。
当然相手も私が欲しがっているのが分かっているので(相手は購入した業者が欲しがっていると思っている)、誰一人としてそう簡単に首を縦には振りませんΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
ただそこで簡単に譲歩してしまうと、こちらが欲しがっているのがモロに出てしまうので、あくまで強気の対応を続けます。
「もう建物建てちゃうので、そしたら購入できなくなり、負動産のまま残ってしまうけどいいですか?」
激しい攻防が1年ほど続き、ようやく5筆中4筆をまとめることができました。
これで合計5筆、約150坪の立派な大きい土地に仕上がりました。
そしてまとまった土地になったところで、業者さんからまとめて購入することになります。
土地が落ち着いてホッとするのもつかの間、今度は建築会社選びと融資に奔走することになります。Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
建築会社は5社ほどに話を持っていきましたが、まともに取り合ってくれたのは3社。
2社は2階建てのアパート業者、1社は3階建てのアパート業者で、土地的には容積率200%のため3階建てが良いのは分かっていたのですが、ボリュームが大きくなりすぎるため融資が付くか不安でした。
しかし、たまたま3階建てのアパート業者は、安価に良質なアパートを建築する業者で総額が抑えられたため、この業者さんにお願いすることに決めます。
金額は40~45㎡の1LDKと2LDKの計12戸で、1戸当たり605万円です。
総額は、、
605万×12戸=7,260万円(税込)ドドン!!!!
になります。
ちなみに設計士からあがってきた間取りがイケてなかったので、すべて私が作り直しました^^;
さてここで問題が・・
いよいよ融資の打診!という時に、法人の設立が完了していませんでした。
しかも私が代表取締役になると会社にバレる恐れが・・(;´Д`)
結局第3者にとりあえず代表取締役になってもらい、当然私は株主100%ということで銀行は設立することを前提に審査を進めてくれて、承認がおりる頃には無事設立完了。
承認までの期間は1ヶ月半ほどかかったと思います。
そしてアパート建築にかかった費用内訳は以下の通りです。
土地・・・6,000万円
建物・・・7,260万円
解体費用・・235万円
諸費用・・・315万円
合計・・・1億3,810万円
うち、借り入れ1億2,500万円、自己資金1,310万円
私個人での借り入れ実績がたくさんあったのと、土地を安く地上げしていったため評価が高く出ていたことが、銀行さんを前のめりにさせた要因だと思っています。
しかし法人融資一発目で代表取締役が第3者にもかかわらず、よく1億4,000万円近くの融資を承認してくれたなぁと思います^^
融資がおりて土地の決済を完了し、いよいよ着工です!
着工してからは早い早い!
そんなに早くていいの?というくらいどんどん建ち上がっていきます。(@_@;)ドンダケー!!!
途中コロナの影響で、キッチンなどが入らないかもしれない問題にも直面しましたが、アパート業者に確認すると大丈夫とのこと。(*´з`)ウーン…タノモシイ…
結局3階建て12戸の大規模アパートにも関わらず3~4ヶ月ほどで完成♪
初めての経験で大変だっただけに、ほんと感慨深いものがあります。( ノД`)シクシク…
しかーし!!!!建てることが目的ではありません。
家に帰るまでが遠足、満室にするまでが新築アパート経営です。
賃貸業者3社ほどに見積もりを出してもらい、平均値から全戸3,000円ほどアップの強気家賃で、知り合いの賃貸業者にお願いして募集をスタートします。
条件は依頼した知り合いの業者が付けてくれたらAD1ヶ月分のみ、他の業者が客付けの場合はその業者にもAD1ヶ月分の計2ヶ月分です。
通常新築の場合、賃貸付けしやすいのでAD2ヶ月分も払うことは珍しいと思いますが、12戸と大規模だったこと、コロナ禍で苦戦が予想されたことを理由に、他の業者にも積極的に客付けしてもらえる条件にしました。
すると、、、
コロナの緊急事態宣言下にも関わらず1ヶ月半で満室に。(;・∀・)アラ、ハヤイコト
今回賃貸業者が提案する家賃で募集してたら、3,000円×12戸=月々36,000円も損していました・・
なんでもそうですが、業者の言うことを簡単に信じてはいけません。
自分でもしっかり調べるべきです。
この物件の収支も公開しておきます。
- 年間収入 12,120,000円
- 年間借入返済 5,653,080円
- ランニングコスト 291,430円
- 固定資産税 600,000円
年間収支合計 5,575,490円 - 表面利回り 8.7%
- 実質利回り 8.1%
- ROI 4.0%
- CCR 42%
いや~一発560万近くの年間キャッシュフローは大きいですよね♪
しかも新築なので、しばらくは修理などの心配もいりません。
今回は物件をまとめて売ってくれた業者さん、銀行、建築会社、賃貸仲介会社と多くの方に支えられ助けてもらい何とか大成功を収めることができました。
これを見て、今後土地から新築アパート建築にチャレンジしようと考えている方の参考になれば幸いです。
では次に新築アパート投資のポイント8選を解説していきます。
①新築アパート建築のための土地の狙い目は容積率150~200%
アパート建築のための土地を探す際は、容積率150~200%の土地を探すと採算に合う土地が見つかりやすいです。
なぜなら一種低層のような容積率80%の土地だと、戸数が取れないため採算が合わない可能性が高いだけでなく、実需で戸建てを建てたい人とも競合になるからです。
例えば同じ50坪の土地でも、容積率が80%だと40坪までしか建てれませんので、1戸あたり30㎡のアパートを建築しようとした場合、4戸しか作ることができません。
しかし、容積率が150%だと75坪まで建てることができるので、1戸あたり30㎡のアパートなら2倍の8戸も作ることができます。
注意ポイント
単純計算の話であり、都市計画や建築基準法の制限などにより容積率いっぱい建築できるとは限りません。
当然150%の土地の方が土地値は高くなるのですが、かといって2倍にはならないことを考えると、費用対効果は高いということになります。
そしてこういった土地の容積率をMAXまで使うために、木造3階建てのアパートを建築するようにします。
例えば、建蔽率60%・容積率150%の土地の場合、容積率50%になるように1階部分を作り、それを3階建てにすればちょうど150%の容積率を使うことになります。
しかも3階建ては準耐火構造になるので、融資も30年で依頼することができます。
ちなみに容積率300%以上になると、マンション建設業者であるデベロッパーなどと競合になるので、なかなか勝ち目がありません・・
というわけで、最も土地が買える可能性が高く、採算も合いやすい150~200%の土地に3階建てを建てる方法をおすすめします!
②アパート建築時の着工金や中間金はできるだけ少なくしてもらう
アパート建築の融資の流れは以下のようになります。
- 土地購入時
- 建築着工時
- 建築中間時
- 建築完了時
基本的にはこの4段階でつなぎ融資をしていくことになります。

実は銀行は、土地と建築完了時までの1~3のつなぎ融資に対しては、金利のみの支払いにしてくれます。
そのため着工金と中間金を少なくすることで、金利支払いを少なくすることができます。
着工金と中間金の際、支払わなければならない割合は建築会社によって変わりますが、基本的にはそれぞれ2~3割程度です。
そこを1割にしてもらうことで金利負担を小さくすることができますので、ぜひお願いするようにしてみてください。
③アパート1戸当たりの広さは40㎡以上の2LDKがおすすめ
土地を購入してアパートを建築するときは、最適なボリュームに合わせることも大事ですが、プラン上問題なさそうであれば、1戸あたり40㎡以上にすると不動産取得税が免除されます。

すべての住戸を40㎡以上にすれば不動産取得税は0円になりますが、例えば30㎡×4戸、40㎡×4戸にした場合は、ちゃんと50%が免除になりますので、できる限りの戸数分でも有効です。
新築アパートの不動産取得税は何百万という規模の請求がきますので、本当に助かる制度です。
またメリットはこれだけではありません。
30㎡前後の1LDKアパートは市場にたくさんあるのですが、40~50㎡の2LDKアパートは供給が少ないため、客付けしやすいという大きなメリットもあります。
実際に私のアパートは1LDK6戸2LDK6戸で建築しましたが、やはり2LDKから入居が決まっていきました。
ちなみに同じ㎡数でも1LDKではなく2LDKにするだけで3,000円ほど高い家賃設定が可能になります。
2人で住む人や家賃を抑えたい核家族に需要があり、現代にマッチした広さなんだと思います。
④設備でインターネットWi-Fiは必ず導入
インターネット無料は、入居者の要望で常に上位ランクインしている設備です。
アパート全体でインターネット設備を導入すると、平均家賃2,000円ほどアップが見込めます。
私はギガプライズという会社のインターネットを利用していますが、初期費用は44万円ほどかかるものの、維持費用は12戸で毎月8,800円しかかからないためコスパは最強です。
コロナ禍で自宅でのWi-Fi需要はさらに高まっていますので、必ず導入するようにしましょう。
⑤新築時は1年以内退去の違約金を2ヶ月分にしておく
新築1年目は意外に退去や問題が発生しやすいため、1年以内の退去違約金を2ヶ月分にしておくことをおすすめします。
正確にはクリーニング代1ヶ月分もあるので、3ヶ月分になりますね。
可能であれば2年以内の退去も違約金1ヶ月分にしておくと尚良しです。
退去理由としては、
- 思ったより月々の負担が重く支払いが苦しい
- 隣接住戸がうるさい
が多いかと思います。
2.に関しては問題を追及して、原因である賃借人には最悪退去してもらうなどの対処が必要ですが、違約金はその際の原資に充てることもできます。
決して喜べる収益ではありませんが、こちらも事業としてやっている以上、短期退去の違約金はきちんと設定しリスクヘッジに努めましょう。
⑥家賃の新築プレミアムは嘘
「新築プレミアム」といって、新築は希少性が高く綺麗なので高い家賃が取れると言われています。
しかし新築アパートの場合、戸数が多ければ多いほど空室を早く埋めないといけないので、強気な家賃設定をすることが難しくなります。
実際に私のアパートでは、1年後に退去した部屋を新築時より2,000円高い家賃で募集しましたが、すぐに埋めることができました。

新築時の募集家賃は、賃貸会社3社に査定してもらい平均家賃の3,000円アップで全戸募集しました。
家賃設定も賃貸会社に任せてはいけません。
必ず自分自身でも調査し、最終的には自分で決めるべきです。
しかし新築時の家賃が強気になれないのは、どのオーナーも同じ心理かと思います。
アパートが完成すると融資の返済が始まってしまうので、早く賃料を得なければ厳しい状況に追い込まれますからね。
その分2回転目は少し強気の家賃設定で募集をかけてみることをおすすめします。
⑦早く入居を決めるためにAD(広告費)は2ヶ月分にする
先ほどもお伝えしたように、新築の場合は戸数が多いほど早く入居させることが大事になります。
そこで入居者を募集してくれる賃貸仲介会社にはADを2ヶ月分払うようにします。
具体的には、管理会社もしくは主に任せる仲介会社にはAD1ヶ月分を約束し募集してもらいます。
もし管理会社が客付けしてくれたらADは1ヶ月分で済みますが、客付けしてくれた業者が別の会社の場合はその会社にもADを1ヶ月分支払うので、合計2ヶ月分といったやり方です。
これによって他の賃貸仲介会社も積極的に紹介してくれるようになりますので、早く客付けができるというわけです。
仲介会社からしたら新築なので決めやすいですしね。
ちなみにこのAD2ヶ月分は、礼金もしくは敷引き2ヶ月分で募集することで、オーナーの実質負担を0にすることもできます。
このように効率的な賃貸募集を心掛けるようにしましょう。
⑧アパート管理は最初が重要と心得よ
アパートは様々な人が住むことになるので最初が肝心です。
共用部にチラシを捨てる人、たばこの吸い殻を敷地内に捨てる人、ゴミ出し日を守らない人、騒音がうるさい人など、いろんな人がいます。
そこで最初だけでも厳しめに管理を徹底することで、このアパートは厳格に管理されているからヘタなことはできないなという感覚を持ってもらうわけです。
逆に共用部が汚いままになっていたり、騒音問題が発生しても注意したり張り紙をしない場合、満足度が下がるばかりかそういった人が集まるアパートになってしまいます。
アパートは意外と共用部が汚れやすいので、定期的に清掃を行うようにしましょう。
管理会社の選び方は下の記事をご覧ください。
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まとめ
いかがでしたか?
土地から新築アパート建築と管理の重要なポイントを解説してきました。
細かいところではもっと他にもありますが、今回は好みの問題でもある部分は解説を避けました。
大事なのは自分が住みたいと思えるようなアパートを妥協なく作ることです。
建築会社に任せっきりにしては絶対にいけません。
アパート建築は大変ですが、その分楽しくやりがいもあり勉強にもなります。
不動産投資をされる方にとっては良い経験になると思いますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
新築アパート建築のリスクについては、下の記事もご覧ください。
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