
こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
「ワンルームマンション業者から頻繁に営業の電話があるけど、儲かるの?」
「ワンルームマンションを購入して節税できるってほんと?」
「不動産投資のプロもワンルームマンションを買ってるの?」
ワンルームマンション投資は購入総額が小さく、比較的始めやすいことから、サラリーマンや高所得者を中心に所有している人を見かけます。
しかし、物件価値の下落や空室リスクも大きく、他の物件同様デメリットやリスクに関する正しい知識を必要とします。
結論から言うと、都心部以外のワンルームマンション投資はおすすめしません。
特に新築のワンルームマンション投資はやめたほうがいいです。
なぜ都心部はOKなのかは後ほど解説します。
僕は福岡の大手不動産仲介会社で働いていましたが、熱心な業者さんにのせられて投資用ワンルームを購入したものの、儲かるどころか返済が苦しいという人を何人も見てきました。
逆にワンルームマンション投資で儲かっている人は見たことがありません。
ではなぜこんなにも儲からないのか、なぜやめた方がいいのでしょうか。
この記事では、その理由を解説していきます。
早く不動産投資を始めたい!と焦っている人が手を出してしまいがちなのが、簡単に購入できるワンルームマンション投資です。
不動産投資はスタートを間違ってしまうと、その後の不動産投資が大きく制限されてしまうことになります。
販売業者が言うことを鵜呑みにして失敗することのないよう、ワンルームマンション投資のリアルを知っていただけたらと思います。
コンテンツ
ワンルームマンション投資は失敗するのでやめたほうがいい理由5選
では早速ワンルームマンション投資は失敗するのでやめたほうがいい理由を解説していきます。
収益性が低い
まず収益性の低さが挙げられます。
具体例のほうがわかりやすいので、以下ご覧ください(ただし福岡の例)。
【新築から35年間保有した場合】
価格:1,500万
借入期間:35年
ローン金利:2%
平均家賃:5万円/月(新築時7万→35年目3万)
更新料:2万円(2年に1回)
平均管理費・修繕積立金合計:12,000円/月
平均固定資産税:5,000円/月
管理会社管理費:家賃の3%
※入居率95%と仮定
賃貸募集広告費は礼金でまかなうものと仮定
35年中、7回入退去があったと仮定
リフォームは一度もしないと仮定
という条件で試算してみました。
結果は以下の通りです。
項目 | 収支 |
家賃 | 19,950,000円 |
更新料 | 350,000円 |
物件価格 | ▲15,000,000円 |
購入時諸費用(保険料含む) | ▲400,000円 |
借入金の支払利息 | ▲5,850,000円 |
固定資産税 | ▲2,100,000円 |
管理費・修繕積立金・管理会社管理費 | ▲5,670,000円 |
退去時原状回復費用×7回 | ▲1,050,000円 |
合計 | ▲9,770,000円 |
はい、これがリアルです。
もうこれ以上説明しなくても儲からないことが分かるレベルですね・・
しかもこれ好条件かつ35年間一度もリフォームしない前提の試算です。
そして35年後売却したとしても、売却時にかかる諸費用含め、おそらく250万円残れば良い方なので、上記収支▲977万円から250万円を足しても▲727万円となります。
大赤字です。
よっぽど利回りが高い中古物件でないと収支が合わないことがお分かりいただけたでしょうか。
経費比率が高い
先ほどの収支で気付いた方もいるかと思いますが、ワンルームマンションは経費比率が高くなります。
家賃のわりに、管理費・修繕積立金や、退去時の原状回復費用が大きいため、儲からない仕組みになっているんですね。
例えば、家賃が5万円で原状回復費用が15万円だった場合、家賃の3か月分になるばかりか、すぐに入居が決まるとも限りません。
この費用を取り返すための期間がどうしても長くなってしまうのです。
これが東京などの都心部であれば、家賃が高いので経費比率を抑えることができますし、ワンルーム需要も旺盛です。
そのため、都心部ではまだワンルームマンション投資も検討の余地があるでしょう。
入退去が頻繁
ワンルームの場合、独身者がほとんどのため、入退去が頻繁にあることも問題です。
退去がある度に、収入が途絶えるばかりか、新たに入居させるための費用が発生します。
経費比率が高い物件で入退去が頻繁に行われると、金銭的にも精神的にもかなりキツイですよね。
入退去が多いことは、トラブルメーカーを入居させてしまう入居者リスクを高めてしまうことにもなります。
減価償却が少ない
新築RCの場合、減価償却期間は47年と長期になってしまうので、1年あたりの減価償却費が少なくなる傾向にあります。
最初から返済額が減価償却費を上回ってしまうこともあります。
残耐用年数が短い中古物件であればあるほど、減価償却はより大きくなります。
不動産投資の魔法の経費である減価償却が小さいことは、ワンルームマンション投資のデメリットです。
減価償却に関しては、下の記事をあわせてご覧ください。
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出口戦略が弱い
ワンルームマンションの場合、実需で探している人がほとんどいないため、オーナーチェンジ物件として売却する方法しか出口戦略がありません。
もし売却したい時に空家の場合は、賃借人をつけてから売却した方が高く売れる可能性は高くなります。
不動産投資の場合、出口戦略はたくさんある方が有利になります。
出口戦略に関しては、不動産投資の成功は出口戦略にあり!をご覧ください。
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新築ワンルームマンション投資の罠【よくあるセールストーク】
これまで、ワンルームマンション投資が儲からない理由を解説しましたが、これは販売業者も知っていることです。
知っていてあえて売っているわけですが、彼らも売るためにあれやこれやとセールストークを考えています。
ワンルームマンション投資の収益性の低さを心配する客へのセールストークとして、
・好立地だと長期的な賃貸需要が見込めるし、資産価値が高いから安心
・収支が多少赤字でも、将来の保険や年金代わりになる
・収支が多少赤字でも、損益通算による税還付でトータルではプラスになる
といった内容が多く使われますが、これらを鵜呑みにするのは危険です。
以下、その理由を説明します。
好立地だと長期的な賃貸需要が見込め、資産価値が高いから安心
賃貸需要があって空室リスクを抑えることができたとしても、購入時に既に収益性が低く、収支がトントンもしくは赤字であれば本末転倒です。
家賃は経年により下落しますが、賃貸需要はその下落率を抑えることができる程度です。
しかし新築ワンルームマンションだと、それも難しくなります。
新築時は新築プレミアムがあるので、最初の家賃は高く設定できますが、新築から10年間で約20%近く家賃が下がると言われています。
資産価値に関しては、マンションの場合土地割合が少ないため、やはり高いとは言えません。
ワンルームマンションの場合、専有面積が小さく土地割合はファミリータイプより少なくなるので、なおさらです。
収支が多少赤字でも、将来の保険や年金代わりになる
賃貸経営において月々の収支が赤字というのは、賃貸経営そのものがうまくいってないということです。
本業の給与などから赤字をまかなえているから、将来の保険代わりになるからいいという問題ではないのです。
そもそもワンルームマンション投資は保険や年金代わりとして十分でない場合が多いです。
しかし営業マンは次のようなことを言ってきます。
・死ぬようなことがあっても家族に資産を遺せる
・ローンの支払いが終われば家賃のほとんどが収入となり、年金の足しになる
・売却すれば退職金代わりになる
しかし多くの場合は、物件の管理会社に管理費用を支払う必要がありますし、ワンルームマンションの場合は管理費・修繕積立金がかかりますので家賃すべてが収入となるわけではありません。
固定資産税のことも考えておかなくてはなりません。
他にも、入退去があればその都度原状回復費用や入居付けに必要な広告料を支払わなければなりません。
保有すればするほど赤字になるといった状況もありえます。
また、物件購入のために35年ローンを組んでいたとすると、そのローンが払い終わる頃には築35年以上になっています。
突発的な修繕も増加しますし、リフォームも必要になってくるでしょう。
売却するとしても、築35年以上では市場価値はかなり下がっています。
かといって築浅の状態で売ろうとしても、プラスになる金額では買い手は付きません。
保険になるどころか、数千万円の借金と突発的な修繕費用等が発生するリスクを背負わなければなりません。
保険は本来リスクを排除するためにあるのに、これでは逆にリスクを背負うことになります。
しかも保険は途中で解約できますが、不動産は売却するしかありません。
このため、保険としても年金としてもリスクが高すぎて、ワンルームマンションを保険や年金代わりにするのは無理があります。
収支が多少赤字でも、損益通算(節税)による税還付でトータルではプラス
ワンルームマンションは減価償却期間が長く、年間の減価償却費が少額になるため、節税効果はそれほどありません。
また、あなたが高所得者でない場合、ほとんど節税効果は期待できないでしょう。
そもそも税金が減るのは、赤字になるからです。
確かに高額納税者はそのスキームを使って節税することもできますが、税金を減らすために赤字にすることは、「僕に100万円くれれば、経費になるから節税になるよ」と言ってるようなものです。
減価償却での節税を勧めてきますが、実は減価償却で節税した分は、不動産を売却した時に今度は利益分の譲渡税となってそのまま跳ね返ってきます。
不動産投資で高い節税効果を実現するためには、
・減価償却期間が短く、減価償却費が大きな物件を購入すること
・所得税率が高い人が購入すること
この2点を覚えておきましょう。
新築ワンルームマンション販売業者の営業電話対処法
以前こんなツイートをしました。
高所得者になると大阪あたりの
ワンルームマンション投資業者から
営業電話がかかってくるように
なります。すぐに断りたい時は
「私も不動産業者です」ちょっと遊びたい時は
「そんなに儲かるなら
あなたはやってますか?」
と言うようにしています。これでも引き下がらない営業マンは
本物。— 不動産投資家MASA@38歳でセミリタイア (@2103ou_masuke) January 29, 2021
あなたはワンルームマンション投資の営業マンから、電話がかかってきたことはありませんか?
彼らは高所得者リストをリスト屋から買い、片っ端から電話をしていきます。
だから僕のことを不動産屋とも知らずに、何度も電話をかけてきます。
しつこく電話がかかってくるのは、しつこく電話で営業しないと買ってもらえないほどの物件だからです。
不動産投資では、良い物件は奪い合いになり、すぐになくなります。
はじめての人に電話で「おすすめですよ~」なんてまずありえません。
よくよく考えてみれば、そのこと一つとっても、いかに儲からない不動産投資かということが分かりますね。
まとめ
いかがでしたか?
ワンルームマンションの販売業者さんには申し訳ないのですが、これがリアルであり、決して儲かる投資ではありません。
中には利回りが高く、収益化できそうな物件もたまにありますが、それでも僕は買いません。
家賃が低く入退去が頻繁なのでコスト負けするのと、出口戦略が弱いからです。
総額の小さい買いやすいマンションを買いたいのであれば、築古のファミリータイプマンションがオススメです。
不動産投資で成功するために、ワンルームマンションには手を出さないようにしましょう!