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不動産投資

不動産投資で節税できるは嘘!?不動産投資の税金対策と節税の仕組み

困っている人
不動産投資は節税できるってほんと?

こんにちは、専業大家のMASA@2103ou_masuke)です。

不動産投資は節税できるという話をよく耳にしますが、本当に節税できるのでしょうか?

私が不動産投資をやっていて感じるのは、不動産投資は意外と経費になる項目が少なく節税にはならないということです。

主な要因は、金融機関への融資返済金が経費にならないからです。

その代わり「減価償却費」という実際には手元から現金が減らない経費が認められていますので、融資返済金より減価償却費が上回れば節税効果を感じることができます。

よく言われるのは、減価償却による経費で赤字を出し、他の所得と損益通算して所得税や住民税を抑えることや、相続税対策として不動産を購入することで相続税を抑えるという方法です。

減価償却費による損益通算の手法は、新築ワンルーム業者が営業の際に必ず話すやり方です。

こういった口車に乗せられて、節税目的で不動産を購入してしまった人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産投資は本当に節税になるのか解説していきます。

不動産投資の正しい税金対策と最も高い節税効果が得られる方法も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

こんな人におすすめ

  • 不動産投資の税金対策についての知識を得たい人
  • 不動産投資で節税したい人

 

不動産投資の節税と経費(減価償却)の仕組み

不動産投資で使われる節税とは、不動産投資で会計上の赤字を出すことで損益通算により課税所得を減らし、所得税や住民税を少なくするというものです。

困っている人
どうやって赤字を出すの?

「減価償却費」という、経費計上はできるのに実際にお金は出ていかない経費を使って赤字にします。

そしてその赤字を、他の所得にぶつけて所得を圧縮させるのです(損益通算)。

減価償却とは

アパート・マンションなどの建物や、駐車場の舗装・門塀といった構築物を「償却資産」といいます。

償却資産は毎年少しずつ古くなり価値が減少していくので、減少分を「減価償却費」として必要経費にすることができます。

不動産の減価償却

出典:へーベルメゾン

償却資産は、種類や構造により税務上の耐用年数と償却率が決められていて、一般的に堅固で寿命が長いものほど耐用年数も長くなります。

種類耐用年数償却率
木造22年0.046
鉄骨造(鉄骨の厚みが3mm超4mm以下)27年0.038
鉄骨造(鉄骨の厚みが4mm超)34年0.030
RC造(鉄筋コンクリート造)47年0.022

※法定耐用年数の全部を経過した資産は、「法定耐用年数×20%=残存耐用年数」
法定耐用年数の一部を経過した資産は、
「〔法定耐用年数−経過年数〕+経過年数×20%=残存耐用年数」で計算

例えば、1億円のアパート(建物価格5,000万円)を購入して、その減価償却期間(=会計上の使用可能な年数)が5年の場合、減価償却費は毎年1,000万円ずつ発生し、5年にわたって費用計上します。

以下が減価償却費の計算方法です。

計算式:建物価格5,000万円÷耐用年数5年=1,000万円/年

毎年の減価償却費計上前の利益が800万円だった場合、減価償却費1,000万円を引くことで200万円の赤字にすることができます。

通常の経費(接待交際費等)は、経費計上して税金額を減らしたとしても、実際にお金が出ていってしまっているため、トータルでみると手残りを増やせたとは言えません。

しかし、減価償却費は会計上経費として計上できて税金を減らせるのに、実際にお金は出ていかないので、正しく使えば手残りを増やすことができるのです。

そして、減価償却費が大きければ大きいほど会計上の赤字を大きくできるため、より多くの課税所得を圧縮することができ、節税効果が高まります。

そしてこの節税は、「所得税率+住民税率」と「不動産譲渡税率」の差異を利用して行います。

この税率差が、所得税の方が大きければ大きいほど節税効果は高まることになります。

例えば年間の給与所得が2,000万円の人だと、所得税+住民税率は約50%です。

不動産投資で会計上の赤字を出すことで、損益通算により課税所得が赤字分少なくなるので、所得税+住民税率50%相当分を節税できるという仕組みです。

しかし実際には、物件売却時に経費処理した減価償却分が利益となり、その利益に対して譲渡税率20%(個人で長期譲渡の場合)の税金がかかります。

つまり「赤字節税分50%-減価償却した分の利益に対する譲渡税20%=税率差30%」の税金を減らせたということになります。

これが、不動産投資を利用した節税と経費の仕組みです。

不動産投資の節税と税金対策

 

不動産投資の節税に最も適した年収の目安と物件

困っている人
節税は誰でもできるの?

既述の通り、不動産投資による節税は所得税+住民税と不動産譲渡税の差率の歪みを利用する方法ですので、給与所得の高い人が節税効果を最も高くすることができます。

逆にいうと、長期譲渡で売却し不動産譲渡税が20%だとしたら、所得税+住民税で20%以上の人でないと節税効果があるとは言えません。

もちろん売却しないという手もありますが、減価償却が終わった後も保有する場合、経費が少なくなり利益が大きくなるので、その分所得税も大きくなってしまいます。

不動産投資で節税できる人の目安は、課税所得(年収ではない)が900万円(年収目安1,200万円)を超える人です。

これ以上の年収の人であれば、減価償却期間中の所得税・住民税率と譲渡税率の差を大きくできて、税金対策としては有効になります。

困っている人
どのような物件が最も節税に向いてるの?

それは築古木造物件です。

さらに土地の評価が低く、建物の規模が大きいため評価が高い木造アパートなどです。

不動産投資による節税は、減価償却費が大きく取れることがカギになります。

そのため減価償却期間が最も短く、1年あたりの減価償却費が大きくとれる築古木造物件が最適となります。

木造の法定耐用年数は22年で他の構造に比べて短いため、同じ建物価格・同じ築年数だったとしてもより大きな減価償却費になります。

また法定耐用年数が過ぎた築古物件なら、「法定耐用年数×20%」の年数で減価償却ができるので、耐用年数が残っている場合に比べ大きな減価償却費を経費にすることができます。

節税に向いている条件とは、「高所得者」と「築古木造戸建&アパート」と覚えておきましょう。

 

不動産投資による税金対策の注意点

不動産投資による税金対策の注意点は以下の通りです。

注意ポイント

  1. 低所得者は節税にならない
  2. デッドクロス回避のために減価償却が終わる前に売却
  3. 長期譲渡の約6年後にいくらで売れるか分からない
  4. 接待交際費はいくらまで経費にできるか目安を知っておく

それぞれ解説します。

 

低所得者は節税にならない

例えば年収700万円のサラリーマンだとすると、課税所得は370万円ほどしかなく、所得税が20%で住民税が10%しかかかりません。

税率30%ほどだと、不動産譲渡税の長期譲渡約20%(短期譲渡約40%)と大きな差はないため、損益通算による節税の効果は減少してしまいます。

参考

長期保有する場合は税金の繰り延べの効果があるので、その効果を目的にするのはアリ。

 

デッドクロス回避のために減価償却が終わる前に売却

減価償却による節税を主な目的として物件を購入した場合、売却しなければならない最終期限は、減価償却が終わる前もしくはデッドクロスが発生する前です。

デッドクロスとは

デッドクロスとは「ローンの元金返済額が、減価償却費を上回ってしまう状態」のことです。

減価償却期間が終わるタイミングか、もしくはローン返済額における元金の割合が上がってきて、減価償却費を上回るタイミングで起こります。

デッドクロスのイメージ図

出典:湘南不動産投資.com

デッドクロスの状態では、経費にならない返済額が減価償却費を上回るので、会計上の利益は黒字でも手元から現金が減っていってしまうことになります。

デッドクロスとなった物件は、帳簿上の利益が増えることで税金が増えますので、最悪の場合は黒字倒産を引き起こすこともあるため注意する必要があります。

さらには、耐用年数を過ぎた木造物件の会計上耐用年数は4年なのに対し、長期譲渡税率20%にするには5年目を迎える年の年末まで保有する必要があり、長期譲渡にするためには1~2年ほど減価償却がない期間を過ごさないといけません。

なので実際には、個人の場合は残りの耐用年数が6年以上になる物件を購入することをおすすめします。

参考

法人の場合は保有期間を気にする必要はないので、耐用年数が短い物件は法人で購入するのも得策です。

減価償却後やデッドクロスの危険な状態を回避するためには、減価償却期間が終わる前に物件を売却することや、新規物件の購入で減価償却を増やす必要があります。

早め早めに対策を講じていくようにしましょう。

物件のベストな売却時期については、下の記事もあわせてご覧ください。

不動産投資の売却時期ベストタイミングとは|検討すべき判断材料6選
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長期譲渡の約6年後にいくらで売れるか分からない

当然の話ですが、節税のために1億円の物件を買って、長期譲渡税率になる6年後にいくらで売れるのかなんて誰にも分りません。

特に耐用年数を超えた物件は、高く売ることができないばかりか、売ること自体も難しくなる可能性もあります。

節税で1,000万円得したとしても、売却で1,000万円以上損してしまったら、そもそも節税の意味がなくなってしまいます。

個人で購入する場合は、節税のためにこのリスクを取るべきか考える必要がありそうです。

 

接待交際費はいくらまで経費にできるか目安を知っておく

接待交際費の取り扱いについては、3つの事業体に分けて覚えておいてください。

  1. 個人事業主
  2. 資本金が1億円以下の中小企業
  3. 資本金が1億円以上の大企業

ポイントは以下の通りです。

ポイント

  1. 個人事業主は、業務上において必要不可欠なものであれば、接待交際費を必要経費として計上できる
  2. 資本金が1億円以下の法人は、1事業年度で最大800万円まで接待交際費に計上できる
  3. 資本金が1億円を超える法人は、交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%に相当する金額を超える部分の金額について経費にすることができない
  4. 法人の場合は1人あたり5,000円以下の飲食代について一定の要件を満たす場合、交際費から除外される

個人事業の必要経費については、所得税法上は以下のように定められています。

「必要経費に算入すべき金額は、その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。」
出典:所得税法第37条からの部分抜粋

つまり業務上必要なものであれば、接待交際費についても必要経費として計上することができるということです。

一方で法人の場合、資本金または出資金の金額が1億円を超えている法人は、交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%に相当する金額を超える部分の金額について経費にすることができません。

ただし資本金が1億円以下の中小企業の場合は、以下のどちらかを選ぶことができます。

  1. 事業年度年間上限800万円
  2. 接待交際費の50%

接待飲食費が年間1,600万円以下の場合は【1】を、1,600万円を超える場合は【2】を選ぶほうが節税効果は高まります。

ただし接待交際費が年間1,600万円を超えるケースは稀なので、基本的には【1】の800万円という上限を選択しておけば問題ないでしょう。

法人の場合の「交際費等」は、国税庁で次のように定義されています。

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの
出典:国税庁

つまり事業に関わる人を酒や食事でもてなしたり、労をねぎらったり、物を贈ったりするときにかかる費用が「交際費」ということになります。

注意ポイント

法人の場合、1人あたりの費用が5,000円以下の飲食代などは接待交際費にも接待飲食費にも該当しません。
1人あたり5,000円以下の飲食代は交際費から除かれますが、会議費などで損金に算入することができます。

また接待交際費については、以下のすべてを記載した領収書などを保存しておきましょう。

  • 飲食等のあった年月日
  • 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
  • 飲食等に参加した者の数
  • その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
  • その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

出典:国税庁

いくらまで経費にできるのかの目安

 

不動産投資で最も節税効果を発揮するのは相続税の税金対策

不動産の強力な節税効果は、減価償却で作った赤字による損益通算よりも相続時に発揮します。

資産を不動産の状態で相続すると、相続税を計算する時に現預金よりも評価を下げることができるため、相続税の税金対策として効果的です。

評価が下がる仕組みは以下の通りです。

不動産の相続税

出典:MISAWA

現金2億円を相続した場合は、額面通り2億円がそのまま相続税の対象(相続税評価額)になってしまいます。

しかし現金2億円で不動産を購入した場合、路線価や固定資産税評価額で評価されるほか、賃貸している不動産の場合はさらに考慮され、最終的には不動産価格の約5〜6割が相続税の対象となります。

つまり、約1億円分の相続税評価額を減らすことができるのです。

相続税は相続する財産の評価額から基礎控除額を引いて、そこから相続税率をかけて計算されるので、評価額が低いほど支払う相続税が少なくなり節税になります。

このように相続時には、現預金をより相続税評価額の低い不動産にかえて相続をすることで、相続税対策に役立てることができます。

 

まとめ

いかがでしたか?

不動産投資はどんな人や物件でも節税できるわけではないことがお分かりいただけたと思います。

そこには様々なリスクが伴うこともお伝えしました。

そもそも不動産投資本来の目的は、節税や税金対策ではありません。

うまくやれば不動産投資が節税効果を生み出すのは事実ですが、所得税や住民税に至っては、赤字になった場合にのみ大きな効果を得られるわけですから、これが果たして不動産投資の成功例なのかというと、そうではないはずです。

不動産投資による節税をうまく活用するのは大事なことですが、あくまで不動産投資は節税が主な目的ではなく、収入を得るためのものだということを改めて認識しておきましょう。

法人を活用した節税術について知りたい方は、下の記事もあわせてご覧ください。

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