
こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
所有しているマンションの管理費や修繕積立金の値上げが続き(下グラフ参照)、どうにかならないものかと頭を悩ませている方も多いのではないかと思います。

出典:URILABO
たしかに人件費や建築費の高騰で、ある程度の値上げは仕方がないものの、実はそもそも管理会社と管理組合の関係や仕組みに問題があることを知らない人が多いように感じます。
そこで今回は、管理会社の闇を暴き、適切な管理組合運営をすることで、管理費や修繕積立金を下げる方法を解説していきます。
理事長など理事に就任した方、区分マンションに住んでる方、区分マンション投資をしている方、すべての方にとって非常に有益な内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ管理費や修繕積立金は高くなっていくのか
管理費や修繕積立金が値上がりしていく理由は以下の通りです。
修繕積立金が上がる理由
- 新築時の管理費と修繕積立金が低く設定されている
- 人件費と建築費の高騰
- 管理組合が機能していない
- 管理会社の過剰な利益追求
それぞれ解説していきます。
新築時の修繕積立金は低く設定されている
新築時の管理費と修繕積立金はデベロッパーが設定しますが、販売しやすくするために最初の金額を低く設定しています。
そしてほとんどのマンションは、5年周期で修繕積立金が上がっていくように長期修繕計画が組まれており、それを知らないまま購入する方も少なくありません。
長期修繕計画はあくまで計画なので、管理組合の総会で反対が多ければ5年周期で値上げしていかなくても構いません。
ただし大規模修繕の時期になった時に、十分な修繕積立金が貯まっていない場合は、一時金徴収か借入で補うことになります。
そのため早かろうが遅かろうが、修繕積立金は必ず適正な金額までの値上げが必要になります。
人件費と建築費の高騰
近年の人件費や建築費の上昇により、管理費と修繕費も上昇が避けられない情勢となっています。
そしてこれらのコストは、今後も下がる見込みがないのが問題ですよね。
管理組合が機能していない
管理組合は所有者全員で協力して運営していくものですが、特に現役世帯は忙しいことを理由に、積極的にかかわる人は少ないのが現状です。
そして最も大きな問題は、管理会社や管理組合の理事会が提案したことを、精査することなく承認してしまうことにあります。
「任せているから・・」「協力していないから口出しするのは・・」と、議決が必要な議題にすべて「承認」で返答している方も多いのではないでしょうか。
これでは誰かが異論を唱えて、それが正しいことだとしても、現状を変えることは難しくなります。
特に大型マンションの場合は、そういった傾向が顕著になります。
理事会もいやいや役員になっている人が多く、修繕の必要に迫られた際に、面倒だからと相見積もりを取ることもなく、管理会社が斡旋した高い見積もりの業者で話を進めることが多々あります。
管理会社に任せっぱなしにすることは、管理会社の言いなりになっていることと同じで、そこには大きなコストが発生しています。
管理会社の過剰な利益追求
管理会社は管理組合の利益のために、誠実に業務を遂行することが求められていますが、実態はその逆のことが多くの管理会社で行われています。
業者の斡旋による中間マージンや紹介料の受領、不要な工事や設備の提案、過剰な管理サービスの実施など、上げたらキリがないほど背任行為に及んでいます。
この管理会社の闇ともいえる実態は、全員知っておくべき内容ですので、次の章で詳しく解説します。
管理組合を食い物にする管理会社の闇
多くの管理会社は、管理組合を喰い物にしているといっても過言ではありません。
管理会社の闇5選
- 業者斡旋による中間マージンや紹介料の受領
- 不要な工事や設備の提案
- 過剰な管理サービス
- 人手不足により業務が追い付いていない
- 管理会社と管理組合は利益相反の関係
それぞれ解説します。
業者斡旋による中間マージンや紹介料の受領
管理会社は大規模修繕をはじめとした修繕関係、エレベーターや消防設備、貯水槽などの法定検査などに必要な業者を紹介斡旋してくれますが、ほとんどのケースで中間マージンや紹介料が取られています。
しかもその金額は決して小さくありません。
なかには個人的にバックをもらっている社員もいます。
管理会社に勤める私の知り合いの会社は、中間マージンが入っている見積もりに、さらに紹介料を上乗せしていると言っていました。
不要な工事や設備の提案~大規模修繕は12年周期?~
管理会社は管理委託料だけでなく、斡旋による中間マージンでも稼いでいるため、不要な工事でも提案することで利益を上げようとします。
また管理会社の中には、自社やグループ会社である建設会社に工事を発注する目的で、不要な工事や設備を提案してくることもあります。
特に大規模修繕は、管理会社にとって大きな利益を獲得できるチャンスです。
そのため通常約15年に一度で良い大規模修繕を、12年周期で行うことを提案してくるわけです。
長期修繕計画を作成した業務委託先の設計事務所が12年周期を推奨しているから、と思う方もいるかもしれませんが、よく考えてください。
管理会社から依頼された設計事務所は、管理会社に忖度するはずで、管理会社にとって都合の良い長期修繕計画を作成します。
もちろん大規模修繕の適正周期は、マンションの立地やグレード、建物の状態によって異なりますので一概には言えませんが、通常は15年ほどが適正と考えて大丈夫です。
特に新築から1回目の大規模修繕に関しては、建物状態によっては18年ほどまで延ばしてもいいくらいです。
国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」では、マンションの長期修繕計画は「30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれる期間」で立てることが基本とされています。従来ガイドライン上は大規模修繕の周期目安を約12年としていましたが、2021年の改訂で各工事項目ごとに「12〜15年程度」と幅をもたせる記載に変更されています。12~15年周期が目安とされる理由は、建築基準法において、竣工・改修から10年を超えた際に、全面打診調査の実施が義務化されていることが挙げられます。国交省の令和3年度「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によれば、全体の約7割が12〜15年周期で大規模修繕を実施しており、平均では約13年となっています。初回の大規模修繕は中央値で築14年(平均約15.6年)ほどで行われており、従来はこの範囲内が大半でした。しかし近年は技術の進歩や保証制度の整備によって18年程度まで延伸するケースも出始めています。
出典:スマート修繕
※工事金額に共通仮設費は含まれてません。
出典:国土交通省
過剰な管理サービス
そんなに清掃する必要ある?そんなに管理人が駐在する必要ある?
このように感じるマンションも少なくありません。
これも過剰サービスによって管理会社が儲かるからそうなっているのです。
特に小規模マンションは、シビアに精査しなければなりません。
人手不足により業務が追い付いていない
管理会社の社員は、マンションの規模によって異なりますが、一人当たり担当マンション10件ほどが理想(通常)です。
社員の負担やサービスの質を考えると、多くても10~15件が限界です。
しかし現状は、社員不足により一人当たり15~20件を担当させている管理会社も少なくありません。
そのため、儲からないマンションや管理委託費の値上げを拒否する管理組合から、管理契約を解除していくという管理会社も増えてきているのが実情です。
管理会社と管理組合は利益相反の関係
すでにお分かりかと思いますが、そもそも管理会社と管理組合は利益相反の関係にあります。
管理会社は余剰なサービスや工事によって利益を上げたい、管理組合は可能な限り無駄を省いて管理費や修繕積立金を下げたい。
これが根本の問題としてあるから、背任行為におよぶ管理会社が多いわけです。
そのため管理会社にアドバイスを求める時は、利益相反の関係にあることを理解したうえで行う必要あります。
管理費や修繕積立金を下げる方法6選
これまでの内容を踏まえたうえで、いよいよ管理費や修繕積立金を下げる方法をお伝えしていきます。
修繕積立金を下げる方法
- 管理会社を見直す
- 管理委託内容を見直す
- 自分たちで施工業者を探す
- 大規模修繕を15~18年周期にする
- 火災保険を見直す
- 理事会に参加する
以下、それぞれ解説します。
管理会社を見直す
まずは管理会社を見直すことが最重要です。
もし良い管理会社に巡り合えたら、管理に関するほとんどの問題は解決するといっても過言ではないですからね。
ただし管理会社と管理組合が利益相反の関係である以上、良い管理会社を見つけることが難しいのですが^^;
ホームページや口コミサイトなどで探すしかありませんが、必ず3社以上は見積もりを取るようにしてください。
また以下のような管理会社は避けた方が良いです。
避けるべき管理会社の特徴
- 社員一人当たりの担当マンションが15棟以上
- 担当者の変更ができない
- グループ会社に建設会社が存在する
- 会社の規模が大きすぎるもしくは小さすぎる
それぞれ解説します。
社員一人当たりの担当マンションが15棟以上
すでに説明した通り、社員の負担やサービスの質を考えると、多くても10~15棟が限界です。
社員一人当たり15棟以上抱えているような管理会社は、人員が足りていないため、今後は儲からないマンションや管理委託費の値上げを拒否する管理組合から、管理契約を解除していくという流れになるでしょう。
担当者の変更ができない
管理会社だけではなく、担当者の質も良い管理運営には欠かせません。
そのため、もし担当者の質が悪かった場合に変更できないのは大きなリスクになります。
グループ会社に建設会社が存在する
グループ会社に建設会社が存在する管理会社は、その建設会社に施工を任せようとします。
もちろんそこが安く施工してくれるのであれば問題ないのですが、ほとんどのケースで割高です。
会社の規模が大きすぎるもしくは小さすぎる
会社の規模が大きすぎると、固定費がかかるため、管理委託費は割高になりがちです。
逆に小さすぎると、信用や経験、システムなどに問題がある可能性が高くなります。
もちろん一概には言えませんが、中規模で管理戸数を伸ばしている管理会社が最も理想的です。
管理委託内容を見直す
無駄な管理を委託していないか見直してみることも必要です。
例えば戸数が少ないのに管理人を常駐させていないか、清掃は週2回でいいところを3回にしていないかなど確認してみてください。
自分たちで施工業者を探す
管理会社から提案される施工業者は、ほとんどのケースで割高です。
そのため修理や点検が必要な時には、必ず自分たちで3社ほど施工業者を探して、相見積もりを取るようにしてください。
特に以下2点はすぐにでも見直してみてください。
エレベーター保守点検は独立系会社に任せる
三菱や日立、東芝などのメーカー系保守点検会社は、非常に割高です。
これをジャパンエレベーターサービスやエス・イー・シーエレベーター、日伸セフティなどの独立系会社に任せるだけで、毎月の保守点検費用を半分以下にすることができます。
今すぐにでも大きく削減できる費用の筆頭です。
シルバー人材やご近所ワーク、くらしのマーケットの活用
清掃は管理会社に任せると割高なので、シルバー人材やご近所ワーク、くらしのマーケットで依頼すると、費用を大きく削減できます。
大規模修繕を15~18年周期にする
大規模修繕は12年周期を提案してくる管理会社が多いですが、実際には建物状態にもよりますが15~18年周期で十分です。
大規模修繕は最も大きなコストになるので、必ず妥協することなくシビアに相見積もりを取るようにしてください。
火災保険を見直す
火災保険も管理会社および保険会社から提案された内容を精査することなく契約してしまいがちですが、不要な補償を省くことで保険料を抑えることができます。
また、日新火災のマンションドクターのように、メンテナンス状況によって割引をしてくれる火災保険もあります。
必ず精査するようにしましょう。
理事会に参加する
自分の1票で管理体制を変えることはできないので、必ず理事会に参加するようにしてください。
そのためには理事に立候補したり、理事になれない場合でも、オブザーバーとして参加させてもらうようにすることが重要です。
理事会を味方に付け、議案まで持っていけたら、他の組合員は賛成してくれるはずです。
管理組合の運営には積極的に関与し、他の組合員もどんどん巻き込んでいきましょう!
参考
【マンション戸数別の修繕積立金の月額平均】
| 戸数 | 1m2当たり | 戸当たり |
|---|---|---|
| 20戸以下 | 213円 | 1万5569円 |
| 21~30戸 | 205円 | 1万4207円 |
| 31~50戸 | 179円 | 1万3201円 |
| 51~75戸 | 178円 | 1万2902円 |
| 76~100戸 | 188円 | 1万2868円 |
| 101~150戸 | 174円 | 1万2213円 |
| 151~200戸 | 158円 | 1万1875円 |
| 201~300戸 | 166円 | 1万1687円 |
| 301~500戸 | 171円 | 1万1898円 |
| 501戸以上 | 179円 | 1万3131円 |
修繕積立金を資産運用で増やす?
実際に、保有マンションの総会議案で、修繕積立金の一部をS&P500連動投信で積立運用する案が出てきました。
月20万円、年間240万円、10年間。
マンション全体の修繕積立金からすれば小さな金額です。
ただ、この小さな0→1には大きな意義があると思っています。… https://t.co/sHEtb1EHKI pic.twitter.com/G3XP9U6cVR
— 借・金太郎 (@leveredmansion) June 9, 2026
このポストがバズってましたが、今後は修繕積立金を資産運用で増やそうとする管理組合が増えていくかと思います。
ただ実際には、管理組合で賛同が得られるのか、管理組合が証券口座を作れるのか、など多くの問題があります。
そこで今すでにある現実的な運用として、「マンションすまい・る債」という大規模修繕に向けた修繕積立金の計画的な積立てをサポートする、マンション管理組合のための利付10年債券があります(下動画参照)。
こういった商品を検討していくことも、今後の管理組合の健全な運営には欠かせなくなってきたのかもしれませんね。
おわりに
マンションの修繕積立金が不足していることは、日本中で大きな問題となっています。
これを解決するためには、根本原因である管理会社と管理組合の利益相反関係をどうにかしなければなりません。
そう考えると政府の介入も必要だと考えるのは私だけでしょうか。
この問題をもっと多くのメディアが取り上げ、マンションに住むすべての人が問題意識を持ってほしいものです。
少なくともこの記事を読んでいただいた方は、今後は管理組合の運営に積極的に参加してほしいと思います。
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