
こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
不動産を購入しようと思った時、ますはネットで検索をして、気に入った物件があれば問い合わせ、内見をすることになります。
しかしこの内見をする際、どこをどのように見ればよいのかわからないという方も多いかと思います。
大きな買い物になるので、失敗や後悔をしないようにしたいですよね。
そこで今回は、物件内見の際のポイントや注意点を解説します。
僕は不動産売買仲介の大手不動産会社で、6年半勤めた経験があります。
これから不動産物件の購入を考えている人や、いずれはと考えている人は参考にしていただき、失敗や後悔のない売買にしていただけたらと思います。
コンテンツ
物件の内見(見学)をする前に準備確認しておくポイント
内見とは、売りに出ている気になる不動産の室内を見に行くことです。
物件を購入する際には、当然内見をしてからの申し込みになりますが、超人気物件の場合、場所を知っていたり、マンションで他の部屋を見に行ったことがある人の中には、出たら内見もせずにすぐ申し込みする人もいます。
しかし、基本的には内見を行い、しっかりと物件を確認したうえで購入することになります。
内見の予約をする前に、まずは物件資料をよく確認することをおすすめします。
例えば、南向きの物件を探しているのに北向きの物件に内見予約をしてしまったら、お互いに時間の無駄になりますからね。
僕が不動産営業マン時代に内見をしてもらった際、断られる理由が物件資料を見たらわかるような内容であることが多く、ただの断り文句である可能性があるとはいえ、何度もガッカリさせられました。
場所の確認も今はグーグルマップですべて確認できますので、しっかり把握しておきましょう。
さらに、事故物件も大島てるというサイトで確認できますし、災害などの情報は各自治体のハザードマップで確認できます。
「大島てる」という事故物件サイトは、100%正確とは言えませんが、確認はしておいた方が良いでしょう。
十分確認し良い物件が見つかったら、仲介会社に電話して内見の予約をします。
予約は遅くても2,3日前までに済ませておくのがベターですが、最悪当日でも内見できる物件もあります。
内見の日程を決めるときは、曜日と時間がポイントになります。
例えば、渋滞が多いエリアであれば、平日に車で行ってみた方が良いでしょうし、週末は在宅率が高いため、上の階の足音などを確認することができます。
南側に建物がある場合は、正午~14時に指定することで、日中の陽当たりを確認することもできます。
このように、物件資料や所在地から気になるポイントがあれば、それが確認できる曜日や時間に予約を取ると良いでしょう。
ポイント
内見は物件資料や所在地を見て、気になるポイントに合わせた曜日と時間を指定する。
物件を見る前に、自分の中で優先順位を整理しておくことも重要です。
自分の理想が100%叶う物件はまずありません。
絶対に必要な条件や、妥協できる条件などを整理しておくことで、スムーズな決断がしやすくなりますよ!
物件の内見(見学)当日に持っていくもの
内見当日は、
- 免許証
- 筆記用具
- メジャー
- 水平器
を持っていきます。
メジャーは家具置場などの寸法を測るため、水平器は傾き確認のためです。
今は携帯でもメジャーや水平器の機能が使えたりしますが、使えない人は100円ショップで購入しましょう。
免許証は、購入申し込みを入れる際に必要です。
人気物件の場合は、内見して気に入ったらすぐに銀行へ事前融資の申し込みをした方が良いので、健康保険証と源泉徴収票も用意していきます。
スリッパが用意されてない物件や仲介会社がたまにありますので、気になる方はスリッパの用意もしておくと良いかもしれません。
物件内見時の注意点とポイント
部屋の中に入ったら、気になるポイントを確認していきます。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 陽当たり
- 眺望
- 風通し
- 気密性と防音性
- 水回りの傷み具合
- 床の軋み
- クロスのカビ(特に北側の部屋)
- 設備や機能
- 傾き
- 雨漏り
- シロアリ
- 基礎
では、それぞれ解説していきます。
陽当たり
陽当たりは、誰もがチェックするポイントだと思いますが、当然南向きが陽当たりがよく、評価は高くなります。
次に東→西→北の順ですが、場所や眺望によって当然変わる可能性もあります。
南・南東・南西であればベストですが、東向きの場合は陽が昇る時の光の入り方、西向きの場合は陽が沈むときの光の入り方を確認しておきましょう。
特に高層マンションの場合は西日が強くなりやすく、西日が嫌で転居する人も多いです。
眺望
眺望も陽当たりと関連しますが、前方が抜けていた方が当然陽当たりも良くなります。
隣の建物と近い場合、常に「こんにちは状態」になりかねません。
プライバシーの問題や、カーテンを常に閉めておかないといけない場合、陽当たりや風通しにも関わってきます。
また、前の敷地が将来高い建物が建つかどうかも確認しておきましょう。
購入した何年後かに、目の前に高いマンションが建って、眺望も陽当たりも悪くなった・・というのはよくある話です。
大きな敷地がある場合や古い戸建群の場合は注意が必要です。
風通し
人がいない家は傷みやすいと言われますが、風通しの良さは物件の維持管理に大きな影響を及ぼします。
家は湿気に弱いので、風通しの悪い家や湿気が多い物件は避けた方が賢明です。
各窓を開けた時に、どのように風が入ってくるか確認しましょう。
気密性と防音性
室内の空間で隙間が少なく、外部との気体のやり取りが少ないとき、この室内は気密性が高いといいます。
気密性が低いと、当然冬は寒く夏は暑くなってしまいます。
閉めている窓の近くでどれだけ空気が入ってきているか確認しましょう。
防音性は外の音や、隣住戸・上下階の音が聞こえるか確認します。
叩いてみると、響きやすいかどうかが何となくわかると思います。
お子さんがいる場合は、床の防音性能が高い物件の方が良いでしょう。
水回りの傷み具合
やはり最も傷みやすいのは水回りです。
キッチン・バスルーム・トイレ・洗面台は念入りに見ておきましょう。
水回りが綺麗にされている家は、他の箇所も綺麗に使われている可能性が高いと言えます。
この時に下水道の臭いがした場合は、長い期間空き家になっている可能性が高く、金額交渉の余地が大きい可能性があります。
ついでに給湯器も確認しておきましょう。
給湯器の寿命は約15年ですので、それ以上経過している場合は、購入後にすぐ壊れる可能性を考えておく必要があります。
床の軋み
特に戸建ての場合は、年数が経っている場合、床や階段が軋むかどうかでその家の品質がわかります。
質の悪い家は、20年くらいで軋みだしますが、しっかりとしたハウスメーカーが建てた家は、30年経っても軋みません。
床がブヨブヨの場合は、シロアリの可能性もありますので、注意が必要です。
クロスのカビ(特に北側の部屋)
クロスが剥がれているだけならまだ良いのですが、カビが発生している場合は注意が必要です。
クロスを張り替えたとしても、すぐにカビが発生してきてしまうので、特殊なクリーニングが必要になり、高額な費用が発生してしまいます。
湿気が多そうな部屋(特に北側の部屋)のクロスは注意深く見ておきましょう。
また単に湿気が多い家ということでもありますので、カビが多い家は控えた方が良さそうです。
設備や機能
まだ標準的でない設備や機能でおすすめなのは、床暖房です。
床暖房は本当に健康的で暖かいので、おすすめです。
戸建ての場合は太陽光発電も良いですよね♪
また、水回りが最も性能格差が出やすい部分ですので、しっかりと見ておきましょう。
例えば、キッチンは「IH」「食器洗浄機」、バスルームは「浴室内乾燥機」「追い炊き機能」「渇きやすい素材」、トイレは「操作パネル」「タンクレス」、洗面台は「3面鏡」「くもり止め」などが付いているか確認します。
傾き
多少の傾きはほとんどの家にありますが、大きな傾きがある家は絶対に控えるべきです。
マンションでもたまにありますので、注意が必要です。
事前に準備しておいた水平器を様々な場所に置いて確認しましょう。
また、窓や扉の閉まり具合でも確認することができます。
閉めにくい場合やしっかり閉まらない場合は、傾いていることが原因の時があります。
購入しようとしている物件が怪しい時は、専門家に見てもらいましょう。
雨漏り
雨漏りは戸建てだけではなく、実はマンションでも可能性があります。
窓側のクロスや押入れの天井なんかも見て、雨染みがあったら要注意です。
雨漏りは修理が高額になりがちなので、しっかりと見ておきましょう。
シロアリ
シロアリは、床下を覗いたり、基礎に蟻道がないかチェックすることで確認できます。
シロアリがいた場合、基礎が大きく食われている可能性があり、今後弱い地震でも倒壊の恐れがあるので、避けた方が賢明です。
山の近くの物件などは特に要注意です。
基礎
外から見える基礎のコンクリ部分に「クラック(ひび)」があるか確認します。
クラックは幅0.3mm以上、深さ4mm以上の場合「構造クラック」と呼ばれ、構造に支障をきたす恐れがあると言われています。
そして幅0.3mm以下、深さ4mm以下の髪の毛ぐらいの大きさのクラックは「ヘアークラック」と呼ばれ、基礎の強度に直ちに影響を与えることはないとされています。
通常クラックは縦に入るものですが、横方向に伸びていた場合、設計や施工に何らかの問題を抱えている可能性があるかもしれませんので要注意です。
こちらも心配な時は、専門家に相談しましょう。
マンションの場合、忘れてはいけないのが物件の共用部です。
駐車場や宅配ボックスの有無、駐輪場・ゴミ置場・郵便ボックスの位置を確認すると共に、管理人の就業時間も確認しておきましょう。
車のサイズがマンションの駐車場と合うかどうかもチェックします。
戸建ての場合、他にチェックすべき箇所として、四方隣接する土地と高低差があるかどうかを確認します。
これは高低差がある場合、将来建て替えの際に造成費用が発生する可能性があるためです。
造成費用は何百万単位の費用負担になるので、必ず確認しておきましょう。
物件内見時に質問すべき事項
次に、質問しておくべき事項をまとめましたので、ご参照ください。
- 売却理由
- 管理費・修繕積立金の値上がり予定はないか
- 直近の大規模修繕の時期もしくは予定
- 管理組合で借入などはしていないか
- 周辺も含め事件事故トラブルはないか
- 上下左右住戸の人の属性
- 固定資産税はいくらか
- この物件はどのくらいの期間売り出ししているか
こういった内容は、実は仲介会社が事前に調べ、内見時にお客様にお伝えすべきですが、そこまでできている営業マンはほぼいません。
なのでこちらから聞き、その場で答えられなければ宿題として後で教えてもらうようにします。
居住中の物件を内見する場合、居住者がいる時は、その物件の良いところと悪いところを聞くのもアリです。
やはり住んでる人しかわからない部分もたくさんありますからね。
購入したい場合と購入しない場合の対処方法
購入したい場合は、買付申込書に記入することになりますが、この時の金額は人気物件でない限り必ず金額交渉を行うようにしましょう。
購入申し込みを入れる際の手順に関しては、不動産物件に購入申し込み(買い付け)を入れる際の正しい手順をご覧ください。
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不動産の購入申し込み書や買い付け証明書を提出する際の正しい手順
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交渉金額は、売却理由や売出期間など物件によって異なりますが、端数切りや5%ほどが一般的です。
1,980万円→1,900万円
3,000万円→2,850万円
4,980万円→4,800万円 など。
売れていない期間が長い物件(3カ月以上)や売却理由によっては、思い切って10%ほど交渉してもいいと思います。
その時の理由は、「フォームが必要」など売主が納得しやすい理由を添えるのがポイントです。
金額交渉の仕方については、鬼指値も可能!?不動産売買の㊙金額交渉術をご覧ください。
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契約はすぐにでもできる旨を伝えることで、仲介会社は交渉を頑張ってくれるでしょうし、売主も承諾しやすくなります。
逆に人気物件の場合は、金額交渉なんかしてたら絶対に買えません。
むしろ満額(そのままの金額)で申し込みしても、他の人に取られて買えない可能性があります。
人気物件を他の人に取られることなく買う方法は、すぐ埋まる人気物件を買う方法をご覧ください。
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決済(引き渡し)は、今お住いの賃貸解約が必要なため1ヵ月後以降にしてもらいます。
申込を済ませたら、ローンで購入する場合はすぐに銀行へ行き、事前審査を申し込みます。
通常は提出してから3日ぐらいで結果は出ますが、担当の人にいつ頃結果が出るか確認しておきましょう。
後は、金額交渉の結果と事前審査の結果を待つのみです。
購入しない場合は、その場でハッキリと断ってあげた方が営業マンは助かります。
その時に理由も添えてあげると、営業マンは売主に報告する際に助かります。
一番困るのは「検討します」といって、その後連絡をくれないお客様です。
また、その営業マンの対応が良かった場合は、探している物件の条件を伝え、条件に当てはまる物件が出てきたら連絡してもらうように、お願いしておきましょう。
物件内見時の営業マンとのやり取りのポイント~これ本当?嘘?~
内見をすると、営業マンからしつこく購入をすすめられたり、気に入った場合は契約を急かされた経験がある方も多いかと思います。
その時に営業マンは、あれやこれやと言葉を巧みに使い、クロージングをかけてきます。
ここでは、営業マンの言うことが本当かどうかやどういった意図で言っているのかを解説していきます。
まず内見の予約をする際、


こういった会話になった場合は、営業マンが売上が足りず契約を焦っているだけの可能性があります。
対処方法としては、
①どのくらいの期間売り出ししているか
②今現在何人の人が内見の予約をしているか
など具体的に聞いてみると、本当かどうかが分かってくると思います。
次に内見をして気に入ったけど迷っている場合、

これも本当かどうかわからないので、こう質問しましょう。
①その方はいつ内見したんですか?
②その方はローンですか?現金ですか?
これもこのように具体的に聞くことによって、本当かどうかが見えてきます。
また、内見してから3日以上経っている場合は、そのお客様は買わない可能性が高いと思って大丈夫です。
次に購入申込書に記載する際、金額交渉額を決める時に、


こういった時は、100万円ぐらいの交渉なら売主は承諾することを営業マンは知っている可能性があります。
なので、ずばり200万円ほど交渉してみましょう。
あくまで、この金額にならないと買わないという雰囲気を出してくださいね笑
以上、営業マンは言葉巧みに購入を後押ししてきます。
そんな状況でも落ち着いて正しい判断をするために、営業マンが言っていることが本当かどうか見極めることは重要です。
営業マンが言うことを、すべて真に受けるようなことだけはしないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
売買仲介営業マン経験者ならではの、裏の側面まで解説してみました。
不動産は高額な商品ですので、間違いのないようポイントをしっかりと抑え、一つ一つ確認していきましょう。
内見は一度だけでなく二度しても構いません。
昼と夜、平日と週末見るのもアリだと思います。
仲介会社は大きな仲介手数料をいただいているわけですから、質問があったら遠慮なく営業マンにぶつけてください。
この記事を参考にしていただき、購入した後に後悔しないよう、気持ちの良い取引ができたらいいですね^^