
こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
いや~2022年も不動産市況は強かったですね。
株価暴落の影響なんてどこ吹く風といった状況でした。
実は今の不動産の上昇相場は、約10年前の2013年頃からスタートしています。
2019年あたりから、もうさすがにストップするだろうという雰囲気が出始めましたが、ふたを開けてみると、そこからさらに4年も上げ続けています。
とはいえ、2021年10月に不動産経済研究所が発表した首都圏新築マンション平均価格は6,750万円となり、1990年頃のバブル期を超えたと話題を集めたように、既にいろんな数値が当時のバブルを超えてきています。
バブルはいつか弾ける・・(これが本当にバブルなのであればですが)
また各種データも、相場の天井を示唆するようなものが出始めました。
ということで、不動産市況の転換期になりそうな2023年の不動産市況を予測してみたいと思います。
あくまで予測でしかないですが、不動産投資の今後の参考にしていただけたら幸いです。
こんな方に読んでほしい
- 2023年の不動産市況や今後の価格見通しが知りたい方
- 2022年の不動産市況はどうだったのか知りたい方
- 今後の不動産投資はどうすべきか意見を求めている方
コンテンツ
2022年の不動産市況考察
2022年も不動産市況は強気相場でした。
公示地価も全国的にコロナの影響が和らぐなか、全国全用途平均が2年ぶりに上昇に転じました。
変動率のマイナス幅も縮小傾向にあり、全国的に回復傾向でした。
2022年後半になると、インバウンドをはじめ国内外の客足がコロナ以前に戻りつつあったことも大きなプラス材料でした。
ただし明るい材料ばかりではなく、特に年後半になると、悪いニュースやデータも出始めました。
以下、2022年不動産市況のポイントは4つです。
ポイント
- 明らかに弱くなってきた戸建市況
- 天井を示唆するデータが出始めたマンション市況
- 長期金利の上昇と住宅ローン金利
- 建築費用の高騰
- 価格上昇、利回り低下が継続中
以下、それぞれ解説します。
明らかに弱くなってきた戸建市況
国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」(下図)のように、2022年後半には戸建の売れ行きが極端に悪くなっているとの声も聞かれ始めました。
原材料費の高騰を受けた影響か、特に建売戸建は、値下げ合戦の様相を呈してきているようです。
コロナになってからは、マンションよりも戸建の需要が大きくなったため、一巡した影響もあるかもしれません。
天井を示唆するデータが出始めたマンション市況
一方で、相変わらずマンションの値上がり方には目を見張ります。
しかしこちらも、相場の天井を示すデータが出始めました。
東日本不動産流通機構が発表した、2022年12月度の首都圏不動産流通市場動向では、首都圏中古(既存)マンション成約件数は2,835件(前年同月比1.6%減)と、5ヶ月連続で前年同月を下回りました。
さらに地域別でみると、東京都区部(1,295件、同6.6%増)以外の各地域において、成約件数の減少傾向が続いているようです。
成約件数は減少する一方で、1平方メートル当たりの成約単価は、69万9,400円(同9.0%上昇)と32ヶ月連続で上昇しました。
戸当たり平均価格は4,373万円(同6.2%上昇)と、31ヶ月連続で前年同月を上回っています。
新規物件登録件数は1万4,570件で、在庫件数は4万1,665件(同16.6%増)と11ヶ月連続で増加し、7ヶ月連続の2ケタ増となりました。
つまり成約件数は減少し、成約価格と在庫件数は上昇していることになります。
これが何を意味するのか・・。
実は不動産市況が天井を付けるときは、まさにこのような現象が起きます。
step
1まず買い需要が減ることで成約件数が減少しますが、売主が強気なため価格を下げることはなく、むしろ今までの上昇バイアスのせいで成約価格は上昇を続けます。
step
2しかし当然買い需要が減少している中で、その上昇についていく人はいませんから、成約件数はさらに下がり在庫がダブつき始めます。
step
3売れなくなって在庫が増えすぎると、ようやく売主も気付き始め、売るために価格を下げ始めます。すると周りの物件も売るために価格を下げ始めます。
step
4価格の下げ初めは、価格が下がったことに喜んで飛びつき買いをする人もいますが、多くの人がまだ下がると思い始めると、価格下落の負のスパイラルに陥ります。
こうやって不動産市況は悪化していきます。
現在ステップ2の位置である可能性が高いと言えそうです。
長期金利の上昇と住宅ローン金利
2022年は世界的に長期金利が上昇し、アメリカなどでは住宅ローンに大きな影響が出ています。
日本も年後半になると、世界的な長期金利の上昇圧力により、住宅ローン金利が上昇してきました。
特に、年末に日本銀行がイールドカーブ・コントロールの10年国債利回りの変動幅拡大を決めたことは、大きな影響がありました。
【出典】フラット35
不動産投資の融資では、ほとんどの金消契約で、金利は短期プライムレートに連動するよう決められていますので、政策金利が変わっていない今現在はまだ影響ありません。
短期プライムレートとは
銀行が業績の良い最優良企業に対して、資金を貸し出す際の最優遇金利のうち、1年未満の短期貸出金利のことです。一方で長期プライムレートは、1年以上の長期貸出金利のことです。
ただし金利が長期プライムレートに連動する契約になっている人は、金利上昇通知が何度も届いてヒヤヒヤしているようです。
当然金利の上昇は、不動産市況に大きな悪影響を及ぼしますが、2022年はその入り口に立った年と言えるでしょう。
なお不動産投資の事業用融資は、2021年と変わらず渋い状況が続いており、特に副業としての不動産賃貸業になるサラリーマンや属性が低い人、実績のない人にとっては厳しい環境です。
一方で、資産家や実績が豊富な人に対しては積極融資が行われており、融資の二極化が強まっています。
建築費用の高騰
2021年は木材価格急騰が大きな要因になりましたが、2022年は木材価格が落ち着いた後も、他の要因で建築費は高騰し続けました。
特に下のグラフを見ると分かる通り、木造の建築費は2011年に比べ150%増と高騰しています。
【出典】建設物価調査会 総合研究所
建築価格の高騰によって、建設業の2022年の倒産件数は14年ぶりに増加しました。
価格上昇、利回り低下が継続中
2022年も引き続き、物件価格は上昇し利回りは下がり続けました。
この現象は、ここ10年続いています。
【出典】健美家
2023年の不動産市況予測と今後の価格見通し
結論から言うと、2023年は不動産市況悪化開始の年になるのではないかと考えています。
ここでは、2023年の不動産市況に影響を与えそうな以下の4つの要因を、それぞれ解説していきます。
- 金利上昇
- 建築価格の高騰
- 不動産市況サイクル
- 不動産価格の年収倍率
金利上昇
既述の通り金利上昇圧力が強まる中で、今年は金利が最も不動産市況に影響を与えそうです。
2022年10月の不動産投資家調査では、不動産投資市場の今後のリスク要因(ただしコロナは除く)について、「金利の上昇」が最も多くの回答を得ました。
【出典】日本不動産研究所「不動産投資家調査(2022年10月)」
現在の不動産好市況は、長期間の超低金利がもたらしただけに、金利上昇のインパクトは相当なものがあります。
日銀のイールドカーブコントロールで、10年国債利回りの変動幅0.5%を0.75%、もしくは1%まで引き上げるのは時間の問題と言われています。
また、長期金利が上がれば短期金利にも上昇圧力がかかるため、政策金利も変更を余儀なくされるでしょう。
ただでさえインフレで家計が苦しむ中、金利の上昇は不動産市況に大きな悪影響をもたらしそうです。
建築価格の高騰
建築価格はどこの建築会社に聞いても、2023年に収まるどころかもっと高くなると言われています。
建材価格の高騰はもちろん、賃金上昇圧力もさらに強まる中で、下がる要因が見当たらない状況になってきました。
戦争が長引くことによる悪影響も受けそうです。
建築価格の高騰を販売価格に転化できれば良いのですが、すでに高騰している今の不動産市況ではそれもできません。
今後は建設業の倒産がさらに増え、連鎖倒産なども相次ぎ、不動産市況に悪い影響を及ぼすと考えられます。
不動産市況サイクル
既述の通り、不動産市況はすでにピークを迎えたようなデータや現象が起き始めました。
下の2022年10月の不動産投資家調査でも、現在の市況感をピークと答える会社が占めています。
【出典】日本不動産研究所「不動産投資家調査(2022年10月)」
既に戸建建売を中心とした業者売主の物件では、叩き売りが始まっていることを考えると、業者による積極的な買取も減少していきますので、今年は成約件数だけでなく、成約価格も下落し始めると考えています。
不動産価格の年収倍率
実需としての不動産を購入する一般の人たちにとっては、不動産価格の高騰により、下図のように年収に対する割合(年収倍率)が高くなりすぎているため、頭打ちの様相を呈しています。
というより既に無理をしすぎていて、年収の何倍で新築マンションが手に入るかを意味する「新築マンション年収倍率」は、全国平均でも9倍近く、最も高い東京都では15倍近くに達しています。
15倍ということは、東京都の平均年収500万円の人が、7,500万円の新築マンションを購入しているということですw
住宅ローンの返済額から見た理想の年収倍率上限は、6~7倍ほどと言われているため、いかに無理して購入しているかが分かります。
日本では不動産価格は上昇しているのに年収が上がっていないため、いつか物理的に買える人がいなくなるという事態が訪れます。
買えなくなる人が増えると、需要と供給のバランスが崩れ、不動産価格の下落に繋がります。
それがまさに今年起こる可能性が高いということです。
2023年の不動産投資のポイントと戦略
最後に2023年の不動産投資におけるポイントと戦略を解説していきます。
ポイントは以下の3点です。
ポイント
- 金利上昇対策
- 不動産市況悪化対策
- 物件種別の選考
金利上昇対策
まずは金利についてです。
2023年は金利が上昇するのは間違いないので、できるだけ短い期間で借入することをおすすめします。
また、金利が今の金利より2%程度上がっても耐えられるような物件のみを買うようにした方が良さそうです。
固定金利を選んだり、日本政策金融公庫を利用するのも一つの手でしょう。
不動産市況悪化対策
不動産市況悪化に対する対策としては、不動産価格が下がっても問題ない物件、つまり長期保有で賃貸を続けても、キャッシュフローを生み続けてくれる物件のみを購入することです。
今後は不動産価格の転換期を迎える可能性が高くなっていきます。
今までのように価格が上昇することを見込んでの購入は控えた方が良いでしょう。
これらのことは常に考えておくべきことですが、2023年は特に意識して慎重に購入していきましょう!
物件種別の選考
不動産市況の高騰が影響してか、築古戸建を購入してDIYを行う投資家が増えています。
というより、DIYしないと採算が合わないほど厳しい投資環境になっていると言った方が正確かもしれません。
【出典】健美家
築古の戸建やアパートは、2023年も競争が激しくなりそうです。
一方で新築建売はもともと採算が合いませんし、新築の建築は建築価格の高騰により採算が合わなくなってきています。
建築中の建築会社倒産も大きなリスクですよね。
不動産市況を総合的に考えると、2023年は総額の小さいファミリー区分に投資妙味があると思います。
おわりに
いかがでしたか?
2023年は、いよいよ金利は上がり不動産価格は下がるという局面を迎える可能性が高まっています。
2023年は、慎重にリスクヘッジしながら購入していくべき年になりそうです。
株式相場で「休むも相場」という格言があるように、不動産市況が高騰していて今後の見通しが厳しい現在のような局面では、不動産投資を休むのもアリかもしれませんね。
ただし休むと言っても、物件探しをストップするのではなく、探しつつ無理に購入することはやめて、次のチャンスが来た時のための準備をしておくことが重要です。
また既にある程度物件を持っている人は、なおさら焦る必要はありません。
時間を味方にする不動産投資では、時間が経過するだけでも残債は減っていきますので、十分前進していることになります。
2023年は不動産市況が転換期を迎える可能性がありますので、常に経済ニュースや不動産市況の情報を確認していきましょう!
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