
賃貸か購入かと同じくらい永遠のテーマとも言える、買うなら「マンション」か「一戸建て」か論争。
賃貸か購入のどっちがお得か知りたい方は、下の記事をご覧ください。
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【徹底比較】家は賃貸と購入どちらがお得!?|メリットとデメリット
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コロナ前までは、不動産は立地がすべてとばかりに好立地マンションが一番との風潮が多かったですが、コロナ禍になってからは一戸建てに住み替える人も多くなり、これからは一戸建てだという人も多くなってきましたよね。
これはライフスタイルの変化によるものです。
なのでマンションか一戸建てのどっちがお得か、どっちが良いのかは、もちろん人それぞれという結論にはなってしまいますが、その結論を出すまでの判断材料はたくさん持っておくべきです。
この記事では、私の個人的見解も含め、様々な視点から比較検討していきますので、購入の参考にしていただけたらと思います。
こんな方に読んでほしい
- マンションか一戸建ての購入で悩んでいる
- マンションと一戸建てそれぞれの特徴やメリットデメリットを知りたい
- マンションと一戸建てそれぞれに向いている人の特徴を知りたい
コンテンツ
比較①マンションと一戸建て資産価値が高いのはどっち?
マンションと一戸建ての資産価値を比べるときに最も指摘されるのは、一戸建ては土地がついているから長い目で見ると戸建の方が良いというものです。
確かに減価することのない土地がある分、一戸建ての方がいざとなったときは強いかもしれません。
しかしマンション化率の上昇(下のグラフ参照)や人口減(過疎化)により、都心部と田舎の価値が二極化し、一戸建ては土地があるから資産価値があるとは言えなくなってきています。
むしろ、資産価値を価値が下がりにくい、実際に高く売れやすいことと定義すると、マンションの方が資産価値が高くなってきています。
実際に2008年からの不動産価格指数(下のグラフ参照)では、マンションの方が戸建住宅に比べはるかに価値が高くなってるのがわかります。
出典:国土交通省
これは核家族が増えて、昔のように広い一戸建てが必要なくなってきたことも影響しているでしょう。
しかしマンションで資産価値が高いのは、あくまで駅近などの好立地に限ります。
立地の悪いマンションは、相変わらず資産価値の下落が早く、資産価値の面からは最も買ってはいけない物件になります。
資産価値に優劣をつけると、「好立地マンション > 郊外の一戸建て > 郊外のマンション」となりそうです。
比較②マンションと一戸建てランニングコストが安いのはどっち?
比較するにあたって、とても重要視する要素としてランニングコストがあります。
よくマンションは管理費・修繕積立金があるからランニングコストが高いと言われますが、実際はどうなのでしょうか。
まずはどういったランニングコストがあるか確認しましょう。
- 管理・修繕費
- 固定資産税
- 火災保険料
- 駐車場代
それぞれ解説していきます。
管理・修繕費
マンションは、毎月「管理費・修繕積立金」の支払いがあるため、戸建よりもランニングコストは高いと言えます。
修繕積立金は一戸建てでも自分で積み立てるべきなのでいいのですが、管理費はマンション特有のランニングコストです。
気を付けないといけないのは、マンションは修繕積立金を積み立ててるとは言っても、外壁などの共用部分のみの積み立てであり、専有部分(水回り)などの積み立てをしているわけではないことです。
そう考えると、やはり修繕費についてもマンションの方がランニングコストはかかります。
ランニングコストの面では、一戸建ての方がかなり有利だと言えそうです。
固定資産税
固定資産税は、マンションと一戸建てで大きく異なることはなさそうです。
マンションは土地に対する税額が低いので、一戸建ての方が高めになるとも言われますし、マンションは建物減価償却期間が長いので、建物分の税額が高い状態が長くマンションの方が高いと言われたりしますが、これらはどちらも正しい認識です。
つまり、同じ固定資産税額のマンションと一戸建てがあった場合、減価償却が早い一戸建ての方が税負担は早く低くなっていきますが、長期間になればなるほど土地がある一戸建ての方が高くなっていきます。
実際には固定資産税の軽減措置などもありますので、難しい比較にはなるのですが、結果としてあまり大きくは変わらないと覚えておいて問題はないでしょう。
火災保険料
火災保険料はご存知の通り、マンションに軍配が上がります。
これは説明不要だと思いますが、マンションの方が耐火性が高く損害も大きくならないので保険料は一戸建てよりはるかに安く設定されています。
また、一戸建ての方が防犯や水災など、カバーすべき範囲が広いことも覚えておきましょう。
駐車場代
マンションにかかるコストの中でも、最も負担が大きく無駄なのが駐車場代です。
一戸建ては超都心部を除き、2台分の駐車場が確保されていることが多く、車を持っていても駐車場代はかかりません。
しかしマンションは、1台あたり毎月1万円~2万円ほどにもなり、2台持っている場合はさらに負担が大きくなります。
そもそも駐車場自体に空きがなく借りれないことすらあったり、機械式駐車場の場合、車のサイズによっては止めることができなかったりと、不便としかいいようがありません。
最近のマンションは、駐輪場代も必要になる場合が多いのも見逃せません。
以上を表にまとめると以下のようになり、ランニングコストでは一戸建ての方がお得です。
マンション | 一戸建て | |
✖修繕積立金はともかく管理費負担が大きい | 管理・修繕費 | 〇自分で修繕費を積み立てる必要がある |
△初めは高いが、徐々に低くなっていく | 固定資産税 | △低くなっていくのは早いが、土地分で止まる |
〇耐火性が高く震災に強い分安い | 火災保険料 | ✖木造なので、どうしても高くなる |
✖費用面でも利便性でも圧倒的不利 | 駐車場 | 〇費用もかからず利便性も高い |
比較③マンションと一戸建て安心して暮らせるのはどっち?
安心感を図るためには、防災面と防犯面を比べる必要がありますので、2つに分けて解説していきます。
防災面
防災面では鉄筋コンクリート造であるマンションの方が安心感は高いと言えます。
地震はマンションも一戸建ても、新築であれば震度6強~7程度では倒壊しない強度の「耐震等級1」以上を保有している物件がほとんどです。
最近では、より頑丈な耐震等級3を採用する一戸建ても増えてきていますし、高層マンションでは、ほとんどの物件で免震・制震構造が採用されていますので、どちらも地震に関しては対応が進んでいます。
しかし水災や土砂災害は、一戸建てでは問題になることも多々ありますが、マンションでは1階でない限り心配の必要はありません。
防犯面
防犯面でもマンションに軍配が上がります。
オートロックがあったり、防犯カメラが付いていたり、高いために外からの侵入が難しいことが理由です。
しかし最近は、一戸建てでもホームセキュリティが普及してきたり、カメラを設置している家も多くなってきたりと、防犯面も向上しています。
ただどうしても外から見えやすい分、狙われやすいのは一戸建てです。
安心感を重視するならマンションを選んだ方が良さそうですね!
比較④マンションと一戸建て住み心地が良いのはどっち?
長く住む家ですから、なんだかんだいっても住み心地が重要だという人も多いかと思います。
住み心地に関してはテーマが多いので、分かりやすく表のみで解説していきます。
マンション | 一戸建て | |
✖似た間取りが多く、一戸建てより狭い | 広さ・間取り | 〇マンションより広く、注文により間取りも様々 |
〇駅の近くに多い | 立地 | ✖駅から離れた閑静な住宅街が多い |
✖上下階や隣戸に配慮が必要 | 騒音 | 〇家が近い場合は配慮が必要 |
〇通路が少ないため動きやすく、ワンフロア | 動線 | ✖通路が多く、階段あり |
✖家の内外で保ちにくい | プライバシー | 〇家の内外で保ちやすい |
✖管理規約による | ペット飼育 | 〇自由 |
✖決まった設備 | 設備 | 〇注文により好きなようにできる |
△周りにマンションがなければ良好 | 陽当たり | △隣地と近くなければ良好 |
〇上層階であれば良好 | 眺望 | ✖眺望はほとんどない |
〇上層階であるほど害虫の心配なし | 害虫 | ✖害虫の発生が多い |
〇高い気密性と断熱性 | 気密・断熱性 | ✖マンションには劣る |
比較⑤マンションと一戸建てリフォームしやすいのはどっち?
一戸建ては、室内や外壁などすべてのリフォームを自由にできます。
一方マンションは、玄関扉やバルコニーなどの共用部分は、自由にリフォームすることができません。
専有部分の室内リフォームでも、リフォーム前に管理組合の許可を得る必要があるなど、手間がかかります
しかしマンションの良いところは、躯体がコンクリートであるため、広い空間が作れたり、間取り変更が容易にできるところです。
一戸建ての場合は、柱がある一定の間隔で配置されているので、大きな空間を作ったり、自由に間取りを変更することがマンションよりは難しくなります。
リフォーム費用が高くなりがちなのは一戸建ての方です。
床や壁面積が大きく、水回りも特注サイズだったりするからです。
比較⑥マンションと一戸建て最近の価格動向
最近は資材や人件費の高騰により、全般的に建築価格が高騰しています。
出典:建築物価調査会 総合研究所
特にマンションは、高くなっているのは建築費だけでなく、マンション用地の仕入れ価格も高騰しているので、それに伴い新築マンション価格も高騰していますよね。
一戸建ては、ある程度郊外の住宅街に建設されることが多いですが、マンションは駅に近い好立地に建てられるため、土地の仕入れでホテルや商業施設などと競合してしまいます。
商業地で好立地であればあるほど、土地の価格はとてつもなく上がっていくため、マンション用地の取得費用は嵩み、最終的に販売価格に転化されます。
しかもマンション用地は広大な敷地が必要なので、なおさらです。
そして新築マンションの価格が上がるから、それにつられるように中古マンションの価格も上がっているのが今の現状です。
そのため、コロナの影響も相まって、郊外の戸建を購入する人が増えているわけです。
マンションと一戸建てそれぞれに向いている人の特徴
最後に比較を踏まえ、マンションと一戸建てそれぞれ向いている人の特徴を解説していきます。
まず最初にマンションに向いている人は、以下のような人です。
- 遠くない将来、売却する可能性が高い(好立地限定)
- 今後賃貸にする可能性がある(好立地限定)
- 毎日の通勤の負担を減らしたい(好立地限定)
- 管理や維持にかかる手間を省きたい
- 広さよりも利便性が大事
- 防災や防犯面を重視する
次に一戸建てが向いている人です。
- 利便性よりも広さやプライバシー空間の確保が大事
- 車が2台以上ある
- 小さい子どもの騒音で周りに気を遣いたくない
- 毎月のランニングコストを抑えたい
- ペットを多頭飼育したい
- 庭が欲しい
すべてどちらかにあてはまるということはないと思うので、優先順位を決めて、自分に向いているのはどちらか確認してしてみてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
マンションと一戸建ての比較は永遠のテーマですが、最も誤解がありそうな部分としては、資産価値は土地が付いている一戸建ての方があるという認識です。
資産価値=売却価格と考えるならば、実は駅近の好立地マンションの方が、資産価値が下がらないということがデータで示されています。
毎月のランニングコストは、一般的な認識通り一戸建ての方が低いと言えます。
ライフスタイルとして、毎日の通勤で電車を利用する人はマンション、車通勤の人は一戸建てという考え方をする人も多いのではないでしょうか。
どちらにするか選ぶ際は、優先順位を明確にして決めていくといいかもしれませんね!